【新製品】お部屋のカビ対策(2019年版)

長雨と猛暑のせいか、2016年に書いた三菱電機製の除湿機レビューへのアクセスが多いようです。ということで、部屋のカビ対策についてまとめておきます。


カビの原因と対策
カビが発生する原因は、ざっくり、①カビ菌②水分③温度④栄養⑤酸素ーの5つを挙げることができます。

①カビ菌ーカビ菌は日常の生活空間に普通に存在します。空気中をふわふわ漂っているイメージ。なので、カビの原因であるカビ菌を取り除くことは難しいです。アルコールを含んだウェットティッシュでこまめに掃除したり、日中カーテンを開けて殺菌効果のある紫外線を室内に取り込むなど、カビをいかに繁殖させないかが大切です。


②水分・湿気ーカビが繁殖するためには水分が必要です。部屋の湿度が『60%を超える』とカビが繁殖しやすい条件になります。湿度が高くなるほどカビが繁殖しやすくなります。雨の日などは湿度が90%を超えることも珍しくありません。湿度を60%未満に下げることが、カビ対策では非常に効果的です。

カビ対策には除湿が重要

③温度ー温度もカビ繁殖のうえで重要な要素の1つです。カビは20度を超えると繁殖しやすくなり、37度あたりまでが増殖の条件になりますが、40度を超えると逆に繁殖しにくくなります。衣類などは乾燥機を使うことでカビ菌を退治することができます。


④栄養ーカビは水だけでは繁殖できません。革製品や人間の垢がついた衣類、靴、ホコリなど、タンパク質を含む栄養源がある場所に繁殖します。こまめに掃除することで繁殖を防ぐことができます。

革製品はカビにとって格好の繁殖場

⑤酸素ーカビも生き物なので、私たち人間同様に呼吸をしています。酸素の無い場所では繁殖できません。食料品などは脱酸素剤を入れた袋に密封することでカビ防止効果が得られます。


カビが繁殖しやすい部屋
では、カビが繁殖しやすいのはどんな部屋でしょうか。これもざっくり分類するとこんな感じ。①建物1階②水捌けの悪い土地③日当たりの悪い部屋④気密性の高い建物⑤建物北側の部屋ーなどが要注意物件です。

①建物1階ー建物1階は地下から湿気が侵入してくるので、他の階と比べると格段にカビが発生しやすくなります。木造の建物は床下に通気口があるので湿気はマシですが、鉄筋コンクリート造の場合は、防水対策ができていないとコンクリートを通り抜けて地下から湿気が侵入してきます。新築時に地下に遮水シートを貼ったり、コンクリートに防水塗装を施すことで湿気の侵入を防ぐことができます。


②水捌けの悪い土地ー川の近くや沼地、谷あいなど水捌けの悪い土地の上に建った建物は、雨の降ったあと数日間は地下に水が溜まるため、湿度が高くなります。このような土地は洪水などの被害にも遭いやすいので、避けたほうがよいです。①と同様に新築時に防水工事を施すことで湿気の侵入を防げます。


③気密性の高い建物ー鉄筋コンクリート造(RC造)や高気密住宅は、気密性が高いため断熱効果を得られるメリットがありますが、一度湿気が室内に入ると外に出ていきにくいという欠点があります。このような住宅では24時間換気が基本ですが、クローゼットなど場所によっては空気の循環が悪く湿気が溜まりやすいので注意してください。また、給気口を閉じたままにしておくと、換気効率が低下するので、給気口は必ず開けておくようにしましょう。

RC造では換気扇を回しっ放しに

RC造の給気口は必ず開けておく

④日当たりの悪い部屋ー日当たりの悪い部屋は紫外線による殺菌効果が得られないためカビが繁殖しやすくなります。日中はカーテンを開けて、紫外線を室内に入れるようにしましょう。場合によっては殺菌効果のあるUVライトなどを使うとカビ防止効果を得ることができます。

UVライトもカビ防止に効果

⑤建物北側の部屋ー建物北側の部屋は、特に冬場、室外と室内の温度差が大きいため、窓ガラスやコンクリート打ち放しの壁面など、結露が発生しやすいです。結露を放置するとカビの原因になります。窓ガラスについては、ペアガラスや樹脂サッシに変えることで結露を防げます。賃貸の場合は、厚手のカーテンで熱を遮断したり、冷気が直接窓に当たらないよう、窓ガラスの前にシェードを立てたり、植物を置くことで改善する場合があります。



除湿機
カビ対策で除湿機の導入を検討されている方のためにオススメの除湿機を紹介します。

夏場の除湿はコンプレッサー式
梅雨の時期から夏場にかけての高温多湿下では、コンプレッサー式の除湿機がオススメです。コンプレッサー式のメリットは、①電気代が安い②温度上昇が少ないーなどです。ちなみにコンプレッサー式の一般的な家庭用の除湿機の電気代は1時間あたり5〜10円程度です。

なかでも、24時間連続排水ができるモデルがオススメです。夏場は半日程度でタンクが満水になり、繰り返しの水捨てが面倒ですが、連続排水ができる除湿機は水捨ての手間が省けます。

2019年現在、24時間連続排水は、このブログでも以前に紹介した三菱電機の製品や、シャープのプラズマクラスター付き除湿機が対応しています。


[三菱電機]

[シャープ]


冬場の結露にはデシカント式
冬場の結露対策にはデシカント式(ゼオライト式)の除湿機が効果的です。デシカント式は、低温化でも効率的に除湿してくれるのが特徴です。反面、ヒーターを使う構造上、電気代が高い、室温が上昇しやすいといったデメリットがあります。



夏冬両用のハイブリッド式
コンプレッサー式とデシカント式のいいとこ取りをしたのがパナソニックのハイブリッド式除湿機です。夏場はコンプレッサー式で、冬場はデシカント式で動作するのが特徴です。値段はコンプレッサー式、デシカント式に比べると高くなります。


クローゼット、下駄箱など省スペース用
カメラや革製品のカビ対策に便利な小型除湿機です。小型ですが連続排水できるのが便利です。

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