【レビュー】ウズラ大学のノークレーム・ノーリターンは有効か調べてみた

前回からの続きです。ウズラ大学とのトラブル。あまりにも納得いかなかったのでいろいろと調べてみました。今回は、いわゆる「ノークレームノーリターン条項(NCNR条項)」と呼ばれるものが今回のウズラ大学での有精卵購入で効力を有するかどうかです。


NCNR条項
まずはウズラ大学のホームページを見てみましょう。購入ページには次のような注意書きがありました。

ウズラ大学HPより引用

ノークレーム・ノーリターンでお願い致します。
●神経質な方のご購入はご遠慮下さい。

さて、このノークレーム・ノーリターンですが、要するに購入した商品が到着後、どのような問題があっても苦情は受け付けませんし、返金もしないという意味合いを持ちます。

ウズラ大学HPより引用

このノークレーム・ノーリターンは、オークションではよく使われる文言で、ヤフオクなどのオークションサイトでも頻繁に目にします。出品者としては、とりあえず「ノークレーム・ノーリターン」って書いておけば、あとから苦情が来ても無視できるでしょという便利な言葉です。

このNCNR条項は法律上、瑕疵担保責任の免責といい、もし隠れた欠陥が後からわかっても責任を負いませんよという意味合いを持ちます。この条項が盛り込まれていれば、購入後に商品に問題が見つかっても(※出品者が問題を知っていた場合や明らかな欠陥等は除く)落札者は基本的には泣き寝入りとなります。


事業者の場合
出品者にとってはたいへん便利なNCNR条項ですが、今回のウズラ大学でのトラブルのように売り主が事業者であった場合は、このNCNR条項は無効となります。


オークションのような個人間取引と異なり、事業者が行う販売行為には「消費者契約法」という法律が適用されます。同法第8条には「次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする」と記されており、具体的に第1項に「事業者の債務不履行により消費者に損害を賠償する責任の全部を免除する条項」と掲げています。要するに、事業者の場合はいくらNCNR条項を設けていても無効ですよということです。



ウズラ大学は?
ですから、今回のケースでは、ウズラ大学が個人の出品者事業者であるかということが争点になります。同法では、事業者について「法人その他の団体及び、事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人」と定義されています。

ウズラ大学のホームページを覗いてみると、特定商取引法表示のページに個人事業主として店主の氏名が記載されていました。ですから、当然に個人事業主である店主氏には消費者契約法が適用され、ノークレーム・ノーリターンという記載は無効となるのです。

ウズラ大学HPより引用


結論
長くなりましたが結論としては、今回の商取引でウズラ大学は商品代金と引き換えに「正常な有精卵10個を届ける」という債務を履行しなかったことになります。よって、購入者である私は債務不履行でウズラ大学に対して購入に要した費用である商品代金並びに送料等を含む2,484円を請求できることになるようです。

※画像は本文とは関係ありません。

ということで、ダメもとでさっそくウズラ大学にメールしてみました。内容は、先日の電話でウズラ大学側が主張したノークレーム・ノーリターンが消費者契約法第8条に違反するので購入代金2,484円を返金してほしいということ。7/12(木)にウズラ大学のホームページ上の問い合わせフォームからメールを送っておきました。

→7/20にウズラ大学から現金書留が届きました。それにしても、中身を確認してみると、付け書もなしで現金のみ封筒に放り込んで、金返せばいいんだろう的な対応です。最後までザンネンな対応です。

ウズラ大学のホームページを確認してみると現時点でも「ノークレーム・ノーリターン」の記述はあります。店主は今後も法律違反を続けていく様子で、全然反省していませんね。呆れた。。。返ってきたお金は財布に入れるのも不愉快なので、コンビニで西日本豪雨災害の募金に入れておきました。おしまい。

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